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徳冨蘆花『草とり』

「六、七、八、九月の月は、農家は草と合戦である。自然主義の天は一切のものを生じ、一切の強いものを育てる。(中略)二宮尊徳の所謂『天道すべての物を生ず、裁制補導は人間の道』で、こゝに人間と草の戦闘が開かるるのである」
徳冨蘆花『草とり』より

 四国も本日、梅雨明けしたと発表されました。長雨で草は背丈を大いに伸ばしましたが、これからは照り付ける太陽の下、日の陰りを狙いながら草引きに取り組まねばなりません。


 青空文庫の徳冨蘆花『草とり』を読んでいくと、こんな一文があります。


「何故人間が除草器械にならねばならぬか」


 確かに、ビブリオAA前の花畑にしても、我が家の庭にしても、花や野菜を育てているのか、草を育てているのかわからないような茂り方です。ツユクサやカヤツリグサはまだしも、センダングサは種ができるまでに仕留めねばなりません。(センダングサの種は引っ付き虫とか、ドロボウと、読んでいます)


 「草の種は限なくとも、とっただけは草が減るのだ。手には畑の草をとりつゝ、心に心田の草をとる。心が畑か、畑が心か、兎角に草が生え易い。油断をすれば畑は草だらけである。吾儕の心も草だらけである」

 そう、とっただけ草は減る。無心に草をとりましょう。かける時間は腰との要相談ですが、畑の草をとり、ついでに心の草もとる。

「草を除らうよ。草を除らうよ」


★ビブリオAA次回の開館日は21日(水曜日)14時から19時まで。
13時から14時までは、コラージュワークショップを行います。のり・はさみ持参。参加費300円(入館料含む)をご負担下さい。ご不要な雑誌がありましたら、お持ちください。