いよ本プロジェクト代表岡田は、毎週水曜日の朝、伊予小学校へ絵本の読み聞かせに通っています。
それはある読み聞かせの日のこと、5年生の教室に向かいました。
私が読んだのはこの絵本です。
『ぼくのブック・ウーマン』
ヘザー・ヘンソン(文)デイビッド・スモール(絵)藤原宏之(訳)さ・え・ら書房 2010年4月初版発行
カルは、高い山の上に住んでいるので、学校へ通うことができません。もちろん図書館なんてないし、本を読みたいと思ったこともありませんでした。ある日、馬に乗った女の人が、カルの家に本を持ってやってきて…。今から、80年前のアメリカ。学校にかよえない不便な場所で暮らしている子どもたちへ図書館の本を運び続ける人たちがいた。
私はこれを読んだ後、移動図書館の話をしました。「移動図書館って知ってる?」「以前は伊予市にも移動図書館があったんよ。」
すると、「保育所に来た!」という元気な声が上がりました。
そう、伊予小学校の近くにある、うえの保育所にも、かつては伊予市立図書館の移動図書館(自動車文庫)が赴いていました。
ちょうどその頃、私は図書館で働いていました。だからきっと、保育所で会っていたかもしれませんね。
自動車文庫の絵本に手を伸ばした園児さんたちの光景を、もちろん岡田さんは覚えていますよ。
そして今、小学校の読み聞かせで再会できたことを、とてもうれしく思っています。
子どもたちの心に残った記憶。
特別なことでなくとも、心に留まっている思い出。
もちろん、忘れていいんです。
そして、すぐに思い出さなくてもいいんです。
だけど、5年後でも、10年後でも、何十年後でも、その時にぴったりのタイミングで、その記憶は甦るかもしれません。
本を運んだ車が、かつて伊予市にもありましたよ。
伊予市の移動図書館(自動車文庫)のことを覚えていてくれて、ありがとう。
(注)2023年6月現在は伊予市立図書館は移動図書館(自動車文庫)は行っていません。
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