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僕は「し・み・の」鉄

 昨日の正圓寺の花まつりにて、熱心に乗り物の本を読んでいた小学2年生K君のお話です。

 

 乗り物の中でも鉄道が好きなようで、鉄道箇所の最後のページが終わると、また最初のページに戻ります。全く飽きることがない様子。

 静かに集中して読んでいた一巡目と違って、二巡目はクイズ大会となりました。「この電車と電車の違いは何でしょう。」「同じところはどこでしょう。」写真を指して、次々と出題してきます。私と友人は一つひとつ解答しながら、その細かさに舌を巻きました。「そんなところまで見ているんだねえ。」

 友人と私は話します。「鉄道が好きな人は、撮り鉄(写真を撮る)、音鉄(音にこだわる)といろいろあるけれど、K君は何鉄なんだろね?」

 K君は答えます。「僕は電車を見ることと、乗ることが好きだから、「みの」鉄かな。見()る鉄、乗()る鉄、だから「みの」鉄。」

 

 なるほど。みの鉄ですか。複合しているところがいいですね。だけど、熱心に頁をめくる姿はそれだけではないでしょう。小学2年生では習ってない漢字の鉄道名をすらすら読んだり、形状の細かい違いを発見したり。

 「実際の電車を見たり、乗ったりすることも好きだろうけど、こうやって鉄道の本を読むことや、電車の知識を得ることも好きじゃないの?」

 大人の私たちがそう言うと、彼は顔を上げ、にっこり笑って言いました。

 「僕は、しみの鉄!」

 なるほど。知()る鉄、見()る鉄、乗()る鉄ですか。経験と知識の両輪ですね。

 

 好きならば調べることは自然な行為かもしれません。だけど、いい言葉だと思いました。


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