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求めるものは答えなのか。

 先日の交流会で、ある国の今の若者は神を信じない、何か困ったことがあればGoogleを検索する、という話題があった。

 確かになるほどと思う。読書ならば紙媒体を躊躇なく選ぶ私も、ふとした言葉の検索はキーボードに即座に打ち込んでいる。ついつい語句の意味を調べている。

 しかし、自分が窮した時に真に助けてくれるのは、素早く出てくる回答だろうか。

 

 悩みの種類・程度にもよると思うが、その一言、その一文で、困った状況は改善するのだろうか。

 

 若輩なりに人生経験を積み重ねて感じるのだが、結論にたどり着くまでに調べた自分、そして何を選択するか頭を抱えた自分が、当たり前だが自分を支えてくれる。

 

 たとえその結論が望む結果につながらなくとも、自分で調べ考えた経験値は蓄積され、必ず次の判断への糧となる。まぎれもなく自分の中にある。

 

 リターンキーを押して出てきた回答を鵜呑みにして、果たしてそれらが得られるのか。

 そしてネット検索はあくまでも一部、出てくる世界が全てではないこと、情報の出典を確認する必要があること、検索エンジンの特徴等にも気を付けたい。

 また、これはネット検索だけに限られたことではないが、数値ではなく、自分にとっての価値を選択することも大切だ。過半数や平均値の値に惑わされず、自分にとって必要な情報を選びたい。

 迷ってもいい、失敗してもいい。悩みの渦中は苦しいことばかりだが、振り返るとその過程こそが自分の血肉になるのだと思う。

 先だってのgoogle検索はあくまでも一つの話題として誇張された表現だが、そんなことを思った一日。

 

 人と会い、話すことも大事と、私が考えた一日。


★次回の私設図書館ビブリオAA開館日は、3月30日(水曜日)14時から18時まで。