松山市出身の俳人神野紗希さんが、以前の愛媛新聞のインタビュー記事で、こう述べられていました。
「人生に風穴をあけることもできる俳句の力は、もっと広く応用されていい」
新聞のスクラップノートを読み返し、ふと何気なく目にとまりました。
ままならぬことの多い人生です。思うようにできない。言いたいことはあるけれど。やりたいことはあるけれど。
今は落ち着いたように思えますが、コロナ禍中も著しくそうでしたし、私たちの毎日、日常の中にも多くあるでしょう。
大人は大人なりに。思春期の子どもたちは子どもたちなりに。
しかし、どんな状況に縛られようとも、私たちの心は自由なはず。
逼迫した状況の中、気心しれた友人に話を聞いてもらうことで、心が軽くなったことはありませんか。状況は何も変わらずとも、心が変わることで世界が変わったように感じます。
何事も心の持ちよう、とはよく耳にする言葉ですが、なかなか一人で心変えることは難しいかもしれません。(私は落ち込むと一人で思い悩み深みにはまります)
そんな時、もし人と話すことも難しければ、私は本を開きます。あるいは神野さんが言われるように、言葉で何かを表現してみる。
俳句のように整えることはできないかもしれないけれど、自分の気持ちを客観的に見ることができるかもしれません。
何も変わらない毎日の、何かをかえる。人生に風穴を。開けるのは誰でもない、自分自身です。
写真はビブリオにある神野紗希さんの著書。
■『日めくり子規・漱石 俳句でめぐる365日』神野紗希(著)愛媛新聞社
今日12月4日の句はこちら
「鳶見えて冬あたゝかやガラス窓」子規(明治32年)
今日は冬あたたかいお日和ですね。
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