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代表の独り言

 私は昔から、感情の乏しい子どもだった。感想と言うものがない。どちらかといえば穏やかな子。辛辣な言葉で表すと、ぼんやりとした子どもで、それは40歳間近まで続いていた。

 40代も半ばを過ぎた今ならわかるのだが、私は感想を持たないわけではなかった。おそらくその場で想定される一般的な感情とは適合しないため、感想がないと思い込んでいた。あるいは、こんな感想では恥ずかしいと思ったのか。

 適合。何に合わせようとしていたのか。何になろうとしていたのか。私は私でよい、私の持つ感情が私を作るのであり、その場にふさわしくない私の感情などないと、今では思う。

 感情を見つける。(隠れている感情もあるのだ。)ポイントは、ちょっとした心の動き(揺れや違和感)を捉えることだ。自分で自分の感情の芽生えを捕まえて、大切にじっくりと聞いてやる。自分の中での一人二役は滑稽かもしれないが、滑稽でもなんでもいい、これが紛れもない「自分」なのだと思う。

 そんな変化のきっかけは、いよ本プロジェクトを始めようと決めた時から、そして続けている毎日からもらった。自分が好きでやっていることだが、得られるものが多くて自然と続けている。これからも続いていくのだと思う。

 今日も小さな感情の起伏を見つけよう。本を読もう。人に会おう。そこで見つけた自分の気持ちから、また何かにつながるに違いない。


★次回の開館日は、10月20日(水曜日)14時から19時まで。13時からは、ブックコート・ワークショップ。