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かんなくずの栞(しおり)

 素敵な栞(しおり)を頂きました。美しい木目は、かんなくずを透明レジンで固めたものです。しおりのリボンも、かんなくず。

 優しい色の木目(もくめ)と、あえて取り入れた木材の節(ふし)を飽きずに見つめてしまいます。

 一般の紙のしおりに比べたら厚みがありますが、ぶ厚い雑誌にはいいかもしれません。(「婦人画報」とか)

 

 これを作ったのはHIMEKA MART KAORIさん。大工の娘で、子どもの頃から木材を身近に感じ育ちました。


 現場にもよく連れて行ってもらったとか。父親が仕事に励む一方で、敷かれたゴザの上で昼寝をしていた年長さん。昔ながらの話かもしれませんが、かわいらしい光景ですね。世話を焼かれた施主さんの気持ちがわかります。「寝起きにもらった白湯の味が忘れられない」お父様の仕事にまつわる、素敵な記憶だと思いました。

 

「木そのものを生活に取り入れて欲しい」 
当たり前過ぎて見過ごしがちな「木」を、そして「和」の良さを知ってほしいと、木工作品の制作を続けています。今回もらったしおりも、そのひとつ。

 丸太の輪切りを使用した作品も見せてもらいました。正面の年輪も良いですが、側面から見える樹皮も見逃せません。

 

 ビブリオAAのしおりコレクションが、また一つ増えました。ためつすがめつ手にとりながら、心癒されるしおりです。このように「木」を身近に感じる方法もあるのですね。

 そういえば、栞という漢字には「木」がありますね。講談社国語辞典第二版をめくると以下のように書かれていました。

しおり【枝折り・栞】(名)①木の枝を折って、道しるべにすること。②手引き。案内。「旅行のー」③読みかけの本の間にはさむもの。④「しおりど」の略。

 しおりは本の道しるべ。かんなくずを本に挟む、正しい使い方かもしれません。
 


★次回のビブリオAA開館日は、10月3日(日曜日)14時から19時まで。13時からは「ひたすら読書会」です。