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夏といえば、思い浮かぶ小説

 8月末日、夏の本を振り返ります。みなさんにとって、「夏」といえば思い浮かぶ小説は何ですか?

 私は先日、江國香織『なつのひかり』集英社を読みました。恥かしながら20代の頃に読んだ記憶はあるものの、すっかり内容を忘れていた本です。

「夏になると『なつのひかり』を読み返したくなるんですよ」と、ある来館者の方に教えてもらいました。

 逃げだしたヤドカリを探す少年。意地悪なきれいな双子。読みだしたらあっという間に、その世界を思い出しました。江國香織の想像もつかない展開は、質感が確かに「夏」そのもので、途方に暮れる暑さを感じました。

 「夏」の小説、続いてはこちら。

 ロバート・A・ハインライン『夏への扉』早川書房 小尾芙佐(訳)

 白鷺あおい『ぬばたまおろち、しらたまおろち』東京創元社

『夏への扉』
言わずと知れた20世紀を代表するSFです。1970年、猫のピートと住んでいた僕は、失望のどん底にいた。契約したのは30年の冷凍睡眠(コールド・スリープ)。目覚めた僕は……。

『ぬばたまおろち、しらたまおろち』
第2回創元ファンタジィ新人賞優秀賞受賞作。日本の妖怪・民俗ものかと思えば、一転して和製ハリー・ポッターのような学園生活。そしてその後に……。

 ぜひとも、『夏への扉』から読むことをお勧めします。こちらはいよ本プロジェクトのオンライン交流会で教えてもらいました。

 特に「夏」というテーマではありませんでしたが、関連すると紹介してもらった2冊です。Hさん、確かに2冊読むと面白さ倍増でした。2冊ライブラリーとして、ビブリオAAに入れました。

 

 さて、では「秋」といえば思い浮かぶ小説は何でしょうか。これからの秋が楽しくなりそうですね。


★次回の開館日は、9月1日(水曜日)14時から19時まで。13時からは、折り紙を折っています。折り紙愛好会発足しました。