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『皮膚は「心」を持っていた!』

 コロナ禍の中、愛媛県内でも電子書籍を貸し出す公共図書館が新聞に取り上げられていました。図書館に行かずとも本を借りられることは、確かにこのような事態では喜ばれますね。

 電子書籍も紙の本も、それぞれに特性があり、相互に補完できる関係であれば良いなと思います。識字障害・ディスレクシアなど、電子書籍のフォント変換などにより、本が読みやすくなる子どもが増えて欲しいと思いますし、身近に図書館がなくともネットで専門的な論文が読めることは、学びの機会を均等にするとも言えます。

 

 電子書籍か紙の本かを、二者択一で選ぶつもりはありませんが、先日読んだ『皮膚は「心」を持っていた!』山口創著 青春出版社 に、次の項目がありました。「紙の本と電子書籍、記憶に残りやすいのは?」

 本の題名からご推察の通り、それはもちろん紙の本となります。字を目で追う視覚は確かに重要ですが、対象物に直接触れて確かめることができる触覚ほど確かなものはない、と書かれています。皮膚にはいろいろなものを感知する力があったり、それが感情や無意識の心にまで影響を与えていたりするそうです。

 物語の進行に合わせて紙をめくっていくという作業(触覚)が、視覚をサポートしていると言われると、納得しますね。紙の質感だったり、本を読んだ季節だったり、紙の本の読書には付随する記憶が多いような気がします。視覚、触覚を始め、あらゆる感覚により私たちは本を読んでいるのかもしれません。

 

 そう考えると、読んだ情報の取り出し方のきっかけとなるのが、視覚だけではなくさまざまな感覚によっている、という一文にも、なるほどと思います。確か最後のほうに書いてあったはず、と文章を全体の位置で覚えていることもありますから。

 電子書籍も紙の本も、それぞれの特性を楽しむことができるといいですね。

 今回、この本を教えてもらったのは、伊予市上野にある中医推拿miwaさんでした。古民家をリノベーションした女性専用、完全予約制のサロンです。https://www.suinamiwa.com/ 体を整えていくことを生業とする、miwaさんらしいおすすめ本だと思いました。ありがとうございました。

・『皮膚は「心」を持っていた!』山口創著 青春新書インテリジェンス 青春出版社 9784413045193
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・『手の治癒力』山口創著 草心社 9784794218971

 ビブリオAA、次回の開館日は、明日6月20日(日曜日)14時からです。13時からは「ひたすら読書会」。