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松山市・三津 旧鈴木邸にて

先日、国の登録有形文化財となったばかりの松山市三津にある旧鈴木邸にお邪魔しました。米穀商を営んでいた鈴木勢美吉(せみきち)の住居でもあったこの建物は、明治36年ごろに建築されました。三津浜煉瓦工場で焼かれた陶製の欄間など、細部の意匠にはこだわりがあり、風情が感じられる空間となっています。

 当時の建築はもちろんのこと、こちらでは随所に心が惹かれます。昭和30年代に増築された茶室にも、お庭の草花にも、さりげなく置かれた家具や、現在の家主がしつらえた道具にも。私はといえば、2階に整然と並んでいる書籍にいつも目を奪われてしまいます。俳人でもあった鈴木清氏が収集した本の分野は幅広く、年代を経て残されている本に囲まれ、訪れるたびに幸せを感じます。

 

以前、こちらで「手と紙」という名の「手紙」を扱ったイベントが開催されました。私は夜にお邪魔したのですが、光と闇が共にある空間は静寂がありました。日本のかつての暮らしに思いを馳せます。慌ただしい日常に一呼吸。止まった時間に身を置きながら、2通の葉書をしたためました。何度か開催されている「手と紙」イベントの様子はこちらです。http://tetokami.online/

 

旧鈴木邸は、宿泊やレンタルスペース(イベント等での座敷の貸し切り)、見学や休憩も可能です。お茶会や書道教室も開催されています。詳しくはこちらのホームページをご覧ください。https://9suzukitei.amebaownd.com/ 
現在は、20215月末までお得なテレワークプランも実施中。明治後期の建物で、文豪気分でのテレワクはいかがでしょうか。