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プラスチックの海

 伊予市立図書館の近くに、古書を扱う「はぶ・ふぁんだんご」というお店があります。こちらは「映画」をキーワードにしており、映画関連の古本に目を奪われますが、もちろんそれ以外の古本、中古のDVD・レコード等も幅広く販売しています。
 
 このお店の特徴をもう一つ挙げると、毎月2階で行われている「お座敷上映会」があります。店主が選ぶ映画のジャンルは多岐にわたり、私は昨年、「シャイン」「さすらいのレコード・コレクター」「それでも僕は帰る」等を鑑賞しました。映画に関連した本を紹介してもらうこともあり、興味深い上映会となっています。

 今月16日に上映された作品は「プラスチックの海」でした。頭に浮かんだのは、その少し前に愛媛新聞に掲載されていた、愛媛県の2020年度海洋プラスチックごみ調査結果です。昨年10月に、今治市や伊予市、宇和島市など県内7地点の海岸で調査が行われ、漂着ごみの中でも、カキ養殖資材や発泡スチロールの破片など漁具の割合が高いと書かれていました。


 上映会では、伊予市の海岸で行われたビーチクリーン活動に参加した女性もいました。プラスチックごみの多さや、中でも漁具の量が多いことを実体験から教えてもらい、さらに問題を身近に感じる映画鑑賞となりました。
 
 私が子供の頃、母は「かご」を片手に近所の買い物に出かけていたことを思い出します。最近までの我が家の台所の引き出しには、有り余るほどのビニール袋が詰め込まれていました。昨年7月のレジ袋有料化から激減したとはいえ、一方で資源ごみの日に出すペットボトルや発砲スチロールの量は決して少ないとは言えません。

 できるだけプラスチックで包装されていない食品・商品を購入したいと思います。海に囲まれている私たち。決して他人事ではなく、自分の行動が着実に生活に及んでいくのだと、映画を見ながら感じました。

 「はぶ・ふぁんだんご」では、毎月「お座敷上映会」が開催されています。詳しくはこちらもご覧ください。