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手紙のすすめ

 先月末のこと、日本郵便は、暑中見舞い用のくじ付き葉書「かもめーる」を廃止すると発表しました。SNSやメールの普及とともに年賀状ですら減っていますから、仕方がないとは思いますが、手紙好きには少し寂しいお知らせでした。

 私自身は、子どもの頃から手紙をよく書いていました。中学高校時代には雑誌の末尾に文通コーナーがあり、県外にも文通相手がいたものです。帰宅して一番に確認することは、手紙が届いているか否か。あの頃ほどではありませんが、今でも毎日のように葉書や便せんに筆を走らせています。

 あえて手紙を書く理由としては、そのひとつに速度があるのかもしれません。送信すれば瞬時に届くメールとは異なり、手紙には時間がかかります。切手や葉書を購入したり、文面を考えたり、ポストに投函したり。これを手間と考えるか、大事な時間と考えるかの違いですが、私は自分にとって気持ちの良い速度だと思っています。

 手紙を書いて時間を楽しむ。文面を考える、切手を選ぶ、相手の郵便受けに届くまでを思う、そんな時間を取り入れてはみませんか。何を書けばいいのかわからない、という方には、ポストカードで感謝の気持ちを伝えることをお勧めします。長い文面はいりません。お礼状は、ありがとうの一言です。

 夏の「かもめーる」はなくなりましたが、くじのない「絵入りはがき」は発行されるそうです。その一枚でどうぞ、お試しください。