· 

一歩一歩を踏み出す力

 先日、伊予市にある行道山(ぎょうどうさん)に登りました。頂上にはテレビ塔が3つ並んでいます。標高403mの最高点「水晶ヶ森」まで、なんとか辿りつくことができました。
 この山をよく知る熟練の地元の方がいましたので、急峻な道を登ったり、斜面に腰をついて滑り下りたりと、なかなか大変な行程でしたが、安心して楽しむことができました。尾根を歩くなど、めったにできない経験も貴重です。

 この行道山には天狗が住んでいたと言われ、松山の御幸寺山にいた天狗と仲が良く、行道山から御幸寺山を結ぶ直線は「天狗の通り道」だったとか。雨ごいに使われていた「どんこ池」、生贄には牛が使われていたとか。地元ならではの言い伝えも話に出てきます。私はこれらを『伊予市のむかし話 伝説』で読み知っていましたが、実際の場所に立つとやはり感慨深いものがありました。

 テレビ塔のある地点は標高373m。最高点より下るとはいえ、ここからの眺望は見事なものでした。ため池がよくわかります。汗をかきながら、くじけそうになりながら、頑張って登ってきた結果が待っていました。この頂上の眺望があると聞き知っているから、苦しいながらも登ることができるのかもしれません。

 人生についても同じことで、未来(先)を目指すから、今を頑張ることができるような気がします。自分では未経験の眺望を教えてくれるのは、先人が書いた本であるかもしれません。特に経験が限られた子ども時代に読む本は、多くの眺望を教え、想像させ、そこへの道筋を示してくれます。もちろん、大人になっても、いくつになっても。そして実際に自分がたどり着いた眺望は、人から教えてもらったそれよりも、はるかに素晴らしいものなのだと思います。

 

 

コメントをお書きください

コメント: 2
  • #1

    どんと (日曜日, 28 2月 2021 12:52)

    佳い機械に恵まれ、貴重な体験をされましたね。(*^^*)

  • #2

    岡田有利子 (木曜日, 04 3月 2021 19:52)

    ありがとうございます。素晴らしい体験でした。