· 

足元にも注目を

 梅の花の香りに心惹かれる2月下旬です。マンサクや山茱萸(さんしゅゆ)の黄色も青空にまぶしく映ります。葉よりも先に開く春の枝花を見上げると、待ち望んだ春の訪れを実感します。木蓮の蕾も、可愛らしく膨らみ始めました。

 野原に目をやると菜の花が、黄色の束になって揺れています。そして背丈は低いものの、ピンクもあちらこちらで目立ち始めました。色鮮やかなホトケノザは、広がるとピンク色の絨毯のようです。

 足元の地面を探してみると、オオイヌノフグリを見つけました。なぜこの名がついたのかと毎年思う、可愛らしい小さな青い花です。

 ヒメオドリコソウ、キュウリグサ、ハハコグサ、私は野草の名前を『花の色で引く 愛媛の人里野草図鑑』から教えてもらいました。散歩しては見つけた花の特徴を、ページをめくっては調べ確認します。子どもの頃から見知った花も、名前を知ることで格段と身近になる。不思議なものだと思います。

 まだまだ知らない花はたくさんありますが、頻繁に開くためカバーも外してしまいました。取れかかっているページも修繕しなければ。修理を繰り返し、今後も長いお付き合いをお願いしようと思っています。

 『花の色で引く 愛媛の人里野草図鑑』松井宏光著 北添伸夫写真 愛媛新聞社 4900248576