2023年の6月が終わり、一年も半分が過ぎました。明日7月2日は、ちょうど一年の真ん中に当たります。今年も折り返しだと思うと、少し気が急きますが、ちょっとここで深呼吸。過ぎ行く日々を案じる前に、今日の一日を楽しみたいものですね。
先日、6月28日(水曜日)の開館日のこと、来館者の一人が、新茶としぐれを持って来てくれました。しぐれは、大洲市の銘菓で、「志ぐれ」と書きます。小豆と米粉や餅粉を混ぜ合わせて、セイロで蒸しあげた和菓子です。
「本来ならば、今日は京都では和菓子『水無月』を食べる日なのだけど、『水無月』は用意できなかったので『志ぐれ』を持って来たのよ。」と、お茶を入れながら説明してくれました。
なるほど。確かにこちらの本にも、6月の「水無月」のことに触れています。
『和菓子とわたし』金塚晴子(著)淡交社
多忙な日々に偶然ふれた和菓子の優しさ。(しかもその偶然は図書館なんですよ!)和菓子と私、出会って今日まで。四季折々の和菓子とともに綴られたみずみずしいエッセイです。
その日は、ビブリオにて新茶と和菓子で一服。慌ただしい毎日に、句点をひとつ。ホッと一息つくことができました。
考えてみれば、季節は春夏秋冬の4つに単純に別れているわけではありません。二十四節気があり、七十二候があり、グラデーションのように季節は変わっていきます。その僅かな変化を楽しみたいですね。6月の「水無月」のように、昔ながらの風習を大切にしたいと思います。
明日7月2日は、七十二候の1つ「半夏生」(はんげしょうず)から作られた暦日、「半夏生」でもあります。蛸やうどんを食べて、季節を感じてみましょうか。
さあ、7月が始まります。7月もどうぞよろしくお願いします。
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