大人にとって絵本とは

 先月、伊予市中山にある佐礼谷小学校に読み聞かせに赴いたところ、絵本について今一度考えさせられました。

 

 
 4月22日(金曜日)、佐礼谷小学校にて、今年度初めての読み聞かせを行いました。新一年生を迎えた4月の読み聞かせ。この一年間の学校生活が、そして毎日が楽しいものであるように、3冊の絵本を選びました。詳しくは、こちら佐礼谷小学校のブログもご覧ください。

 読み聞かせが終わった後、校長先生が一冊の絵本を手に取って言いました。「これは、外国らしい絵本ですね。日本の四季とはちょっと違う。」

 確かにそれは、イギリスの作家ジョン・バーニンガムの絵本です。なぜそう思うのか理由を聞いてみたところ、校長先生は以前、ウィーン日本人学校に赴任し、ヨーロッパの四季を経験しているとのこと。「この絵本の秋から冬の暗い感じが、とてもよくわかります。ウィーンの冬は、まさにこんな感じでした。日本とは暗さの質が違うんです。」

 日本とヨーロッパではいったい何が違うのか、校長先生と話しました。その一つに、穀物の収穫の時季があるのかもしれません。考えてみると、日本では「秋」は実りの秋、五穀豊穣の豊かなイメージです。一方、ヨーロッパでは麦の収穫が初夏におわる。そして、さびしい秋、冬へと向かう。

 

 「本当にウィーンの冬はさびしくて…」一冊の絵本から、思わぬ校長先生の体験を教えてもらいました。

 「大人は人生経験によって絵本の読み取り方がそれぞれ違う」
 本が糸口となり、様々な経験を思い出したり、何かを考えるきっかけとなったりするものですね。絵本セラピスト菅弥和乃さんの絵本セラピーでの言葉を思い出しました。

 その感想を共有する場が、ビブリオAAにもあります。次回の菅弥和乃さんの絵本セラピー5月16日(月曜日)、残席2名です。詳細はこちらをご覧下さい。

 写真は、ビブリオAA近くの麦畑。今、まさに、麦秋を迎えています。 


★次回の開館日は、5月11日(水曜日)14時から18時まで。13時からは「作文マラソン」を行います。

 

★次々回の開館日は、5月14日(土曜日)14時から18時まで。13時からは「ひたすら読書会」です。