「あなたのいちばん頼りになるリーダーはだれ?」(本文帯より)
陽性者数が減少しているとはいえ、現在も続くコロナ禍で教えられたことはいくつもあります。
他人の状況を慮ること、正しい情報を選択する目を養うこと、人によって感じることは様々だと思うのですが、私は「自粛」という言葉が心に重くのしかかりました。
「これをやると白い眼で見られるだろうな」「これを言うと常識知らずと言われるだろうな」そう思いながら発した言動や起こした行動は、結局は自分の首を絞めるのだとつくづく思います。
梨木果歩(著)『ほんとうのリーダーのみつけかた』岩波書店 は、作者が理論社から出版した『僕は、そして僕たちはどう生きるか』が文庫化された記念に行われた話がもとになっています。タイトルはもちろん、吉野源三郎(著)『君たちはどう生きるか』を意識してつけられたものです。
本書では、自分をジャッジする視座を外界に置かず、自身の内界に軸足を持とうと書かれています。それは他者の軸なのか、本当に自分の軸なのか。
言動や行動と自分の心の違和感が、まったくなくなるとは思えませんし、なくす必要もないのかもしれません。ですが、少しでも差を縮めたいといつも思います。それが自分の軸を守ること。
では具体的にどうすればいいか、本書で挙げられた方法の中で私が心に留めたことは2つありました。
・自分の気持ちにふさわしい言葉を丁寧に選ぶ。(18ページ)
・「え? そうかな?」と思ったことを大切にする。(41ページ)
「自分」ということの連続性が切れてしまうことは、魂の存在の危機だと、記されています。
こちらの本は、2冊ライブラリーとして並べました。吉野源三郎(著)『君たちはどう生きるか』 と一緒にどうぞ。梨木果歩(著)『僕は、そして僕たちはどう生きるか』理論社 も蔵書に加えたいと思います。
子供たちに向けて書かれた文章は優しさにあふれています。ぜひ、中学生や高校生に読んでほしいですね。
★次回のビブリオAA開館日は、9月29日(水曜日)です。14時から19時まで。
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