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紙の人びと

 スクリーンは和紙。風をはらみ、映像はやわらかく揺れる。

 

 8月某日のこと、内子町五十崎にある天神産紙の屋根裏Galleryへ、映像作家Ko-ki Karasudaniさんの個展を見に行きました。

 

 壁一面に貼られた和紙に流される映像は、天神産紙工場・五十崎社中の紙に関するドキュメント映像「紙の人びと」です。

 一つとして同じではない原料の加工、朝夕で違う太陽の光、回数を経て変わる原料の濃度、それらひとつひとつを考慮して行われる作業。紙の人びとの言葉に和紙作りへの敬意を感じます。

 真摯な姿勢や所作は美しく、紙をはがす音、原料液のゆれる音にも耳を澄ませました。(和紙のスクリーンと同様、音にも工夫がされているそうです。)

 販売されている和綴じのパンフレットは、写真も印字も鮮やかで、和紙のイメージが良い意味で変わります。そしてもちろん、和紙ならではのぬくもりはそのまま、和紙作りのドキュメント映像を選んだKarasudani さんの思いも伝わってきます。

 こちらの個展を見て、和紙の存在がさらに身近になったような気がします。(個展は終了しています。)
天神産紙の詳細はこちらをご覧ください。https://tenjinsanshi.business.site/


★いよ本プロジェクト私設図書館ビブリオAA、次回の開館日は9月8日(水曜日)14時からです。13時からはコラージュ・ワークショップ。