トップページの写真について

 

いよ本プロジェクトホームページを訪れたとき、トップページに「星空と鉄塔」「伊予市の田園風景」「どくだみの花」が掲載されているのを見て、「『いよ本』と何の関係があるの?」と疑問を抱かれる人もおられることでしょう。

 

実はこれらの写真には、私たちメンバーの、プロジェクトに対する想い、本に対する想いが込められています。

いわば、言語化していない「プロジェクトのコンセプト」と呼ぶべきものなのです。

 

 

これらの写真に込められた私たちの想い、その端緒を各々のメンバーの散文で綴っていくことにします。

 この鉄塔の中央に明るく光る星は、こと座のベガといい、地球から25光年の距離にあります。右下の星はわし座のアルタイルといい、地球から17光年の位置にあります。二つは七夕の織姫と彦星なのですが、実はその距離は15光年。実際にはいくら恋しくても一夜で会いに行ける距離ではありません。そして左下の明るい星ははくちょう座のデネブといい、私たちは3つをつなげて夏の大三角と呼んでいます。

 古代の人たちは、本当は全く関係のない星々を結んで、たくさんの星座を作りました。

 いよ本プロジェクトは、星と星をつなげるように、人と人とをつなげるプロジェクトです。愛媛県伊予市のこの場所から、素敵な物語が始まることでしょう。

                                (百合)

 山を背に景色を見下ろしてみる。眼前にあるのは愛媛県中予地区、松山の隣の隣にある伊予市の風景。
 中ほどには伊予灘の青が見える。そして瀬戸内の島影が立ち、その先には青空のグラデーションと白い雲が広がっている。

 伊予市に引っ越してきて10年が過ぎた。この地を住処に定めた理由を話すと、必ず皆に驚かれる。親も親戚も友人も一人もいないこの地の、この景色を見て、ここに住みたいと移ったのだった。この景色を見て暮らしていきたいと。
 

そして、あれから10年がたつ。生後1歳にもならない長女、その後生まれた次女を抱えた核家族の我が家。頼れる人はだれもいない、土地の全てが何もわからない。そんなスタートにもかかわらず、今現在囲まれている人のあたたかさ、交わされる言葉や眼差しに優しさばかりが溢れるようになったのはいつからだろう。図書館勤務時代には本を介して多くの人と知り合った。そして、伊予市は私にとって大事な場所になった。生まれ故郷は特別ではある、だがそれは故郷。今住む町は、伊予市。伊予市が私の住む町。伊予市が私の町。


「いよ本プロジェクト」は伊予市に限定した活動ではない。伊予市以外の参加も大歓迎で、現に半数の人は市以外の人だ。いつも遠くから来ていただき心から感謝している。その人の住む町の話も大変興味深い。
ただ、本にまつわる活動を、私は私の住むこの大事な町から始めようと思った。この10年で感じたこと、出会った方々に頂いたものを、大切にしていきたいと思ったのだ。

まず、伊予市から始める。

いよ本プロジェクトの「いよ」は、愛媛県伊予市の「いよ」。
もちろん、愛媛県の旧国名「伊予」でもある。ついでに書かせてもらうと、「いいよいいよ大丈夫だよ」の「いよ」でもあり、「いよいよこれから!」の「いよ」でもある。

本好きが集まって活動している「いよ本プロジェクト」。伊予市の今から何がうまれ、何がこの先広がっていくのだろうか。これからの10年、私は何を支えにしていくのだろうか。何に喜びを求めるのだろうか。何を伝えたくなるのだろうか。

そして、伊予市から広がる。

そんな思いを込めた、この伊予市の風景写真。「いよ本プロジェクト」の始まり。
(2019/10 代表岡田)


草花の種類は星の数ほどある。

似通っているように見えても、色合いや形、サイズなどが微妙に異なる。

人も同じだ。

実に多様で、みんな色んな個性を持っている。

 

私たちも一つの花。

私たちを表すのに相応しい花は何だろうか。

頭の中にまっさきに浮かんだのはドクダミの花。

 

ドクダミ・・・。 「毒」というおどろおどろしい音韻を持ち、一歩距離をおきたくなるような名前である。

 

別名「魚腥草」・・・。 魚のように腥い(なまぐさい=生臭い)草の意。独特の匂いで、お世辞にも香しいとは言い難い。

 

こんな草花をまっさきに思い浮かべるなんてどうかしている。

だけどそれには色々と理由がある。

 

ひとつは、「白い花」であること。

白は光の三原色を全て重ねた色。言わば特定の色に偏らない均等でバランスが取れた色である。

僅かな光でも十分に目立つ白い花は、月夜や日陰などでもその存在を際立たせ、虫達を誘き寄せる。

地味だけれども魅力のある、そんな強かな花は、私たちが目指す活動を如実に表しているのではないか。

 

花言葉が「白い追憶」っていうのもいい。

本は「現在」を文字に起こして止め、「未来」において「過去」を思い起こす縁(よすが)となるもの。

時間の流れを繋ぐ大事なもの。「追憶」に欠かせないものである。

しかも単なる「追憶」ではない。それは「白い追憶」なのである。

「何もかもが明日に繋がる貴重な過去」という前向きなイメージを抱けるではないか。

 

もう一つの花言葉「野生」っていうのも魅力的だ。

Lizard Tail(トカゲの尻尾)という英語の異名があるが、地下茎を伸ばして蔓延り、切られても何度でも生えてくる、そんな逞しさを持つドクダミ。

 

それは野に咲く 花のように

細やかだけども しっかりと そして逞しく

 

小さなことをコツコツと

 

私たちは、そんな取り組みを続けていきたい。

 

目立たなくてもいい。

 

時には一輪挿しとして飾られるような

時にはお茶として服用されるような

時には薬として役立てられるような

 

人々に様々な恩恵を与えつつも、決して強く主張しない。

私たち「いよ本プロジェクト」は、そんなドクダミのような存在であり続けたい。

 

                                 (こた)

 

子どもの頃、虹の橋を渡ってみたい…そんな風に思った事がありました。

そして渡った先には何があるのだろう…と。

 

しかし長い間虹を見る機会もなくなり、そんな思いもいつしか大人になるにつれ、頭の片隅から消えていましたが、昨年久しぶりに空に架かる虹を見てこれを思い出し、また同時に前向きな気分にさせられます。

 

この『いよ本プロジェクト』で本を通じ、多くの人と出会いました。

人は生まれた場所や環境、考え方や気質が違い、それぞれ個性を持った人間に成長し続けていると思います。

 

その異なる"個性"と"個性"が集まり、それぞれの違いを認め合う。

こうしたご縁に感謝し、人と人をつなぐ、本と人をつなぐ…この虹の七色の光の様に輝きながら『いよ本プロジェクト』の発展し続ける事を見届けて行きたい。

 

                                (松)

 

ロゴマークについて

 IYOもPROJECTもBOOKと鎖で連なっています。またPROJECTからも更に新たな鎖が繋がっています。

IYOは私たちの生活空間、伊予~狭義の伊予市のみならず、旧国名としての「伊予」、愛媛全体を表しています。

IYOはBOOKと繋がり、そしてそのBOOKは私たちのPROJECTと繋がります。

PROJECTのその先に、まだ名前が付いていない鎖が更に繋がっています。これは多くの人と無限に繋がることを象徴しています。

 

私たちは「本と繋がる」ことで、より多くの「人と繋がる」、そんな活動や場の構築を進めたいと考えています。

 

このロゴの配色はトップページの写真とも密接に関係しており、上から、濃紺の星空、突き抜けるような紺碧の夏空、伊予市を照らす暖かなスカイブルーのグラデュエーション、そしてドクダミをはじめとする草花へとリンクする緑という配色になっています。

 

このロゴマークにも、私たちの想いはぎゅっと詰まっています。